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日本本社の登記簿の「公証・認証」

中国に現法を設立する場合などには、中国当局から「日本の親会社の<営業許可証>を提出するように」と言われます。日本には「営業許可証」という概念はありませんので、以下の手順で「現在事項全部証明書」に「公証」を受けた上で「認証」を受けたものを提出します。難易度の高い作業ではないのですが、手間と時間がかかります。以下、その流れをご紹介します。

(1)法務局で「現在事項全部証明書」を取得する(即日・数百円)

 「現在事項全部証明書」とは、日本の親会社の「登記簿の写し」です。よく似たものに「履歴事項全部証明書」もあります。中国に提出するのは「現在事項」でも「履歴事項」でもかまわないのですが、「履歴事項」には過去3年間に変更した登記内容がズラズラ記載されていますので、後述する「翻訳」のコストがかさみます。よって、「現在事項」を取得してください。

(2)外務省で「公証」印を取得する(翌日・無料)

 「現在事項全部証明書」には、法務局の「登記官」の印鑑が押されています。日本の法務局の印鑑を中国大使館が「認証」することはできませんので、まず東京・霞が関の外務省で「この法務局登記官の印鑑は、真正なものです」という証明に相当する「公証」印をもらいます。物理的には、「現在事項全部証明書」の巻末に、外務省の印鑑を押してもらいます。
 なお、「公証人役場」に行く必要はありません(以前は必要でしたが)。法務局印の「公証」は、外務省で行えます。

(3)中国大使館で「認証」印を取得する(4営業日後・数千円・特急料金あり)

 「現在事項全部証明書」の巻末に押印された外務省の「公証」印を、東京・元麻布の中国大使館で「認証」してもらいます。
 物理的には、「現在事項全部証明書」の最終ページに、大使名の「この外務省の印を認証します」という中国語のシールを貼り付けてもらいます。中国大使館では「商事認証」と呼んでいます。これで「公証・認証」は終了です。

(4)中国の有資格翻訳会社で中国語に翻訳してもらう

 中国大使館の「認証」は取得しましたが、「現在事項全部証明書」は日本語で書かれていますので、当局に提出する前に、当局提出の資格を有する翻訳会社に、「公証」済の「現在事項全部証明書」の中国語版を作成してもらい、その翻訳会社の公章(=社印)を押してもらいます。

 これで、中国当局に提出する日本本社の登記簿の「公証・認証」は終了です。■

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