中国での残業代は、その従業員の時給に対し、残業代=150%、休日出勤=200%、祝日出勤=300%、で計算します。以下、順を追ってご説明します。
まず、1995年施行の「労働法」に、以下の規定があります。
「労働法」(1995年1月1日施行主席令第28号、2009年8月27日最新改正施行)
第36条 国は、労働者の1日の労働時間が8時間を超えず、1週間の平均労働時間が44時間を超えない、という労働時間制度を実施する。
その後、同じ1995年に労働部(当時)が発表した「『労働法』の執行の貫徹に係る若干の問題に関する意見」(労部発[1995]309号)に、以下のような規定が設けられました。
「『労働法』の執行の貫徹に係る若干の問題に関する意見」
第60項 1日あたり8時間を超えず、1週あたり44時間又は40時間を超えない標準労働時間制度を実行する企業、および、認可を経て労働時間総合計算労働制を実行する企業は、労働法の規定に従い労働者に労働時間の延長に係る賃金報酬を支払わなければならない。(以下略)
よって、1日あたり8時間、もしくは、1週あたり40時間、を超えれば、割増賃金を支払わなければなりません。(この点については、たまたまですが日本の「労働基準法」の定めも同じ時間です。)
割増賃金の計算方法は、以下のように「労働法」に規定されています。
「労働法」
第44条 次の各号に掲げる事由の一つに該当する場合には、雇用単位は、次の各号に掲げる支給基準に従い、労働者の正規の労働時間の賃金よりも高額の報酬を支給しなければならない。
①労働者に労働時間の延長を手配する場合には、賃金の150%を下回らない賃金報酬を支給する。
②休日に労働者に業務を手配し、かつ、代休を手配することができない場合は、賃金の200%を下回らない賃金報酬を支給する。
③法定休日・祝祭日に労働者に業務を手配する場合には、賃金の300%を下回らない賃金報酬を支給する。
なお中国の規定には、「深夜割増」はありません。■
(写真は、沖縄県恩納村から西に望む水平線に浮かぶ雲)